逆流性食道炎とは、胃酸が食道を逆流することによって起こる疾患です。
食道の下部にある「下部食道括約筋(かぶしょうくどうかつやくきん)」と言われる筋肉は、飲食時に飲食物を胃に送り込むときにだけ緩むようになっています。
この下部食道括約筋の働きによって、胃酸や未消化物が逆流するのを防いでいます。
しかし、この下部食道括約筋の働きが何らかの原因によって低下してしまい、飲食時以外の時にも緩んでしまうことで胃酸やい消化物が食道へ逆流してしまいます。
【症状】
・胃酸の逆流による胸焼け(胸のあたりがムカムカする、胸のあたりに不快感、気持ち悪いなど)
・呑酸、げっぷ(食道に酸っぱいものが上がってくる、喉の奥が焼けるような感じ、食後にげっぷがいっぱい出るなど)
・胃痛(胃もたれ、膨満感、お腹の張り、みぞおちの痛みなど)
・喉の痛み(喉がイガイガする、声がかすれるなど)
その他、慢性的に咳が出る、耳鳴りがする、不眠(寝ようとすると気持ち悪い)、頻繁にしゃっくりが出るなど
【原因】
下部食道括約筋が緩んでしまうことにより、胃酸が逆流してしまうことで食道に炎症が起きてしまいます。
・食道裂孔ヘルニア
・食道の筋肉の衰え
・ストレス
・加齢
・食生活の乱れ(高脂質、炭酸飲料、アルコールの過剰摂取)
・肥満、または痩せすぎている など
逆流性食道炎は症状の強さや広がり方で進行度が決まります。
グレードN 症状はあるが、内視鏡では特に変化を認めない
グレードM 色調が変化している
グレードA 直径5㎜を超えない粘膜ひだがある
グレードB 少なくとも一カ所の粘膜の障害が5㎜以上あるが、他の粘膜障害とは関連していない
グレードC 少なくとも一カ所以上の粘膜の障害が複数の粘膜襞に連続して広がっているが、全周性ではない
グレードD 全周性の粘膜障害が認められる
(軽度から順にグレードN→D)
逆流性食道炎は命に関わる病気ではありません。
軽度のうちは自然治癒していくこともありますが、少しでも症状がある場合はなるべく早いうちに治療を受けることをおすすめします。