機能性ディスペプシアとは
明らかに胃腸などに不快な症状が継続しているにもかかわらず、検査をしても明確な異常が見られない状態です。
以前は「神経性胃炎」や「ストレス性胃炎」と呼ばれていました。
機能性ディスペプシアと呼ばれるようになったのは近年です。
この疾患は決して珍しいものではありません。
実は日本人の約10人に1人が機能性ディスペプシアではないかと言われています。
機能性ディスペプシアは命にかかわるような疾患ではありませんが、
日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
機能性ディスペプシアは2つのタイプに分けられます
1、食後愁訴症候群(PDS)
→主に食後に胃もたれや腹部膨満感が続いてしまいます。少量の食事でもすぐ満腹感が出てしまいます。
2、心窩部痛症候群(EPS)
→主にみぞおちのあたりに痛みや灼熱感が起こります。食事に関係なく症状が現れます。
【症状・原因】
主な症状は、胃もたれ・みぞおちの痛み・吐き気・胸やけなどです。
原因は様々で、まず食生活の乱れ、胃の運動機能の低下です。
過度のアルコール摂取や脂っこい食事、食べ過ぎ飲みすぎだったり、
刺激物を多く摂取することで胃の粘膜への刺激が重なった結果
胃に不快感が起こってしまいます。
他にも自律神経の乱れやストレスなどの心理的要因などがあります。
機能性ディスペプシアは症状があるにもかかわらず、検査では特にこれと言った異常が見つかりません。
その為、胃腸の不調を周囲の人に訴えても、「特に異常はないんでしょ…?」と中々理解してもらうことが出来ないこともあります。
しかし症状を抱えている本人にとっては、日常生活を送るうえでとても辛いことです。その場しのぎで薬で症状を抑えることはできますが、決して症状が改善しているわけではありません。
一人で抱え込んでよりストレスを感じるようになると病状はより悪化してしまう恐れもあります。